相場どおりに出しているつもりでも、安く受けすぎている気もするし、上げたら案件が減りそうで…。
そんなふうに、案件の金額を自分で決めるたびに、手が止まっていませんか?
「インフルエンサーの案件単価、自分は安すぎる…?」
「相場はあっても、自分の金額はどう決めればいい…?」
「単価を上げても、収入には上限があるのかな…」
この記事では、インフルエンサーの案件単価を決める要素、自分の単価の計算の仕方、単価を上げる交渉の材料と伝え方、そして単価を上げても残る収入の限界までをまとめました。
今回は、相場の外側にある「金額の組み立て方」のほうを中心に並べていきますね。
今回は、インフルエンサーの案件単価を、相場の読み方から、自分の金額の決め方、上げ方、そして天井の順に見ていきます。
この記事を最後まで読めば、次に金額を聞かれたとき、根拠を持って答えられる自分の料金が作れるはずです。
この記事で分かるポイント
- 案件単価の相場の目安と、単価を上下させる5つの要素
- 作業時間と権利の範囲から自分の単価を出す計算
- 単価を上げる交渉の材料と、値上げの伝え方
- 単価を上げても残る、案件頼みの収入の天井
インフルエンサーの案件単価はフォロワー数より中身で決まる

案件の単価を考えるとき、まず目に入るのは「フォロワー数あたりいくら」という相場です。
ただ、実際に提示される金額は、同じフォロワー数でも人によって大きく違います。
よく言われるフォロワー単価の目安とその限界
インスタの案件でよく言われるのは、フォロワー1人あたり1〜4円ほど、という目安です。
同じ5万人でも、4倍の開きがある。この幅の中のどこに入るかを決めているのが、フォロワー数以外の要素です。
目安はあくまで出発点です。
相場に合わせて金額を出しているうちは、ほかの発信者と同じ物差しで比べられ、単価はなかなか上がっていかないでしょう。
案件そのものが減っている理由は、インスタの案件が来ない理由の記事で整理しています。
案件の単価を上下させる5つの要素
幅の中のどこに入るかは、次の5つでおおよそ決まります。
| 要素 | 単価が上がりやすい | 単価が下がりやすい |
|---|---|---|
| ①反応の強さ | 保存やコメントの割合が高い | フォロワー数のわりに反応が薄い |
| ②ジャンル | 商品の単価が高い分野、購買につながりやすい分野 | 発信者が多く、代わりが見つかりやすい分野 |
| ③作業の量 | 台本や修正が少ない | 撮影のやり直しや修正の回数が多い |
| ④権利の範囲 | 二次利用や広告配信の分を別に払ってもらえる | 二次利用や競合の制限が、基本料金に含まれている |
| ⑤経路 | 企業と直接の取引 | 間に入る会社の手数料が引かれる |
とくに④は、気づかないうちに安く受けてしまいやすいところです。
同じ金額でも、投稿を広告として何か月も使われるなら、実質の単価は大きく下がっていることになります。
相場に合わせて受けているうちは、同じ物差しの中で比べられ続ける。その感覚は、案件の単価にもそのまま当てはまると思います。
決めるのは、5つの要素のうち、自分が強いのはどこかのほうです。
インフルエンサーの案件単価を自分で決めるための計算の仕方
相場とは別に、自分の側から金額を組み立てておくと、聞かれたときに迷わずに済みます。
組み立て方は、「下限の単価」と「上乗せの料金」の2段に分けると整理しやすくなります。
作業時間から逆算して下限の単価を出す
まずは、1本の案件にどれくらいの時間がかかっているかを、工程ごとに並べてみます。
提示が6万円を下回る案件は、受けるたびに目標の時給を割り込む計算です。
下限が分かっていれば、それより低い提示が来たときに、受けるか断るかを数字で決められます。
工程を並べてみると、修正や報告のように、見積もりの時に数えていなかった時間が意外に多いことにも気づくはずです。
目標の時給は、ふだんの投稿やDM返信など、お金にならない時間も含めて決めておきたいところ。
案件の11時間だけで割ると、アカウントを保つための時間が抜け落ちてしまうでしょう。
二次利用や広告配信は別の料金で上乗せする
下限の単価は、「投稿を1本作って、自分のアカウントに出す」までの料金です。
企業がその投稿を自社のサイトや広告で使うなら、その分は別の料金として上乗せするのが基本になります。
- 基本料金:投稿1本の値段(フィード・リール・ストーリーズで分ける)
- 二次利用:企業のサイトやSNSで使う期間と範囲
- 広告配信:自分の投稿を広告として配信する期間
- 競合の制限:同じジャンルの案件を受けない期間
- 追加の作業:撮影のやり直し、修正の回数の上限を超えた分
料金表をあらかじめ作っておけば、「ご希望の金額は?」と聞かれたときに、表をそのまま出せます。
項目ごとに分かれていると、企業の側も「どこを削れば予算に収まるか」を考えやすく、話がまとまりやすくなるでしょう。
値段を自分から出せるのは、独立して手に入れたものの一つ。だからこそ、その値段の根拠も自分で持っておきたいと思っています。
断られるのではなく、選んでもらう形にできるんですよね。
インフルエンサーの案件単価を上げる交渉の材料と伝え方

自分の金額が決まったら、次はそれを企業に受け入れてもらう番です。
単価を上げる交渉で効くのは、言い方より先に、出せる材料のほうです。
媒体資料にはフォロワー数より成果の数字を載せる
企業が知りたいのは、フォロワー数そのものより、「頼んだら何が起きるか」です。
- 投稿ごとの保存数・保存率と、リーチの数
- プロフィールへのアクセスや、リンクのタップ数
- 過去の案件で売れた数、クーポンが使われた数
- フォロワーの年代・性別・地域などの内訳
3つ目の過去の成果は、とくに強い材料。
企業の担当者に、案件のあとで成果の数字を共有してもらえるよう頼んでおくと、次の交渉にそのまま使えます。
投稿の報告を送るときに一緒に添えておくと、自然に頼めます。数字がもらえなくても、自分のインサイトの数字は報告書の形で残しておきましょう。
数字がそろっていれば、「この保存率なら、この金額でも合う」と、相手の側で判断しやすくなるはずです。
値上げを伝えやすい時期と伝え方の例
値上げを伝えやすいのは、継続の契約を更新するときと、新しい企業から初めて依頼が来たときです。
理由は数字を軸に、短く。料金表を添えて、相手が社内で説明しやすい形にしておきます。
新しい企業には、最初から改定後の料金を出せばいいので、まずはそこから新しい金額で受け始めるのも一つの手です。
値上げで断られる案件が出ることは、先に覚悟しておきたいところでしょう。
ただ、作業は33時間から22時間に減り、経費を除くと、時間あたりは5,000円から約6,800円に上がる計算です。空いた11時間を何に使うかまで決めておけば、値上げは「減る話」ではなく「時間を買い戻す話」になります。
断られたときの返し方や、受けない基準の決め方は、PR案件の断り方の記事にまとめています。
自分から金額を出せる案件の仕事は、出す根拠を持っているかどうかで差がつくと思います。
ただ、数字と料金表がそろっていれば、相手にとっては「検討する材料」が届くだけなんですよね。
インフルエンサーが案件単価を上げても残る収入の限界

単価の決め方と上げ方が整えば、同じ本数でも受け取れる額は増えていきます。
ただ、どれだけ単価を上げても、案件だけで収入を伸ばすやり方には、越えにくい天井があります。
単価も本数も最後に決めるのは企業の側
案件の収入は、単価と本数のかけ算です。
ただ、本数は企業から依頼が来て初めて増えるもので、自分で増やせるものではありません。しかも単価を上げるほど、依頼の数は絞られやすくなります。
本数を増やせたとしても、フィードが案件の投稿で埋まれば、世界観が崩れていきます。
単価にも、ジャンルごとに企業が出せる額の上限があるので、上げ続けることはできないでしょう。
こちらで動かせるのは、提示する金額までです。
それが、案件だけに頼る収入の天井です。
案件の外に持つ収入は値段を誰が決めるかで比べる
天井の上を作るなら、値段や量が企業の予算に左右されない形を、案件の外に持つことになります。
アンバサダーの年間契約のように、案件の中で波を小さくする手もありますが、値段を決めるのが企業であることは変わりません。
| 柱 | 値段を決めるのは | 弱点 |
|---|---|---|
| 自分の商品 | 自分 | 開発費と在庫を先に抱え、売れ残れば赤字になる |
| 会員制・サブスク | 自分 | 毎月中身を出し続ける時間が要り、解約が続くと崩れる |
| 紹介型(ネットワークビジネス) | 会社(商品・値段・報酬の率) | 紹介した人のフォローに時間を取られ、すぐには形にならない。自己購入が条件の会社もある |
どれも、すぐに案件の代わりになるものではありません。
単価をどう決めるかと、仕事がいくつ来るかは、別の問題だったと思います。
ただ、その先の天井まで見えていると、次にどこへ時間を使うかの判断が変わってきます。
インフルエンサーの案件単価と相場についてよくある質問
ただ、反応の強さやジャンル、作業の量、二次利用の有無で、実際の金額は大きく変わります。
目安より、自分の作業時間から出した下限の単価と並べて考えるほうが確かです。
その代わり、営業や契約、請求のやりとりを任せられるという良さもあります。
提示された金額が、二次利用などを含めた額なのかどうかは、必ず確かめておきましょう。
インボイスの登録をしているかどうかで、企業の側の扱いも変わるので、登録の有無もあわせて伝えておくと、あとでもめずに済みます。
個人で受ける場合、報酬の内容によっては源泉徴収(10.21%)が引かれて振り込まれることもあるので、提示額と振込額が同じになるかも確かめておくと安心です。
とくにYouTubeは、1本を作る手間が大きいぶん、作業時間から出した下限の単価がそのまま効いてきます。
媒体ごとに、別の料金表を作っておくのがおすすめです。
インフルエンサーの案件単価は自分で決めて上限も知っておく

インフルエンサーの案件単価は、フォロワー数の相場だけでは決まらず、反応の強さ、ジャンル、作業の量、権利の範囲、経路で大きく変わります。
相場は出発点にとどめ、自分の作業時間から下限を出し、二次利用などは別の料金として上乗せする。
そのうえで、成果の数字をそろえて交渉すれば、こちらから出せる金額の幅は広げられます。
ただ、何本頼むかを決めるのは、最後まで企業の側です。
僕自身が今関わっているのは、ネットワークビジネスです。
値段を自分で決められない点は表のとおりで、それでも選んだのは、手を止めた月に売上まで止まる働き方を、6年間くり返してきたからでした。
単価は、聞かれる前に決めておいた人のものになる。
料金表が一枚あるだけで、次の「ご希望の金額は?」への答え方は大きく変わるはずです。
その言葉を持っている人は、値上げのときも、断るときも、話がぶれにくいと思います。
単価を整えることは、今の案件の収入を守ることにつながります。
天井を知っておくことは、その先の時間の使い方を選ぶことにつながっていくのだと思います。
無理な勧誘はしません。聞きたいことだけ聞いて、合わないと感じたら、そのまま離れてもらって大丈夫です。